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GRJ日記

やや古い漫画やや古いアニメやや(略)ゲーム特撮などの話をしています。

カテゴリー「映画や小説や番組や」の記事一覧

海のトリトン

原作漫画はテヅカオサム先生ですが、アニメとは内容が全然違う。そういうのは昔は沢山ありました。ゲッターロボも全然違う。デビルマンも全然違う。ミクロイドSも全然違う。宇宙戦艦ヤマトも全然違う。マジンガーZは大まかな流れは同じだけど細部が随分違う。まあ、原作漫画がしっかりあってそれをもとにアニメ化するのではなくて、ほぼ同時スタートのようなシステムだったせいですが。現代において『原作漫画とそのアニメ化したもの』といった時に、話の筋が全く違うといったことは多分、滅多にないと思うんですがどうでしょう。それはむしろ実写化映画の暴挙に出た時によく見られることですね。フハハハ。忍ペンまん丸なんかは相当違ってましたが、あれはそれこそ大昔の「テレビ漫画と、雑誌連載の漫画それぞれほぼ独立。人気投票やオモチャ化のことも考えてキャラクターやストーリーを作っていく」みたいな流れに近かったからかと思います。
原作漫画があって、アニメもある、となった時には大概は「原作の方がいいに決まってる」「原作を読まないと、その作品の本当の良さはわからない」という流れになります。でも、その「漫画とアニメタイアップ黎明期」みたいな時期には、このアニメ負けてないわ、このアニメこそがすごいわ、という作品も時々あります。その代表作がこの、海のトリトンだと思う。
なんたってオープニング曲の良さよ。誰もが知っている名曲と言いたいが、知らない若者もいるんだろう。もし居たらぜひ、オープニングフィルムを観て下さい。多分、「なんだかわからないけど胸が打たれる」と思うよ。歌っているヒデ夕樹という歌手はヒデとロザンナのヒデだと思いこんでいましたが別人でした。でも声似てないか?そしてネタバレしますが、冒頭部で爆発するシーン、あれは実は最終回に起こることなのである。行き当たりばったりじゃなくて、最初からすっかり考え抜いて作ってあるって、いいなあ。
出だしは時々見かけるタイプの展開で、小さな村の中で異端となっている主人公、彼はその昔海辺で拾われたみなしご。髪が緑で、とんでもなく泳ぎがうまくて、なにかどこか普通と違う。拾った時に「この子の名前はトリトン」と書置きがあったのだが、日本の田舎の漁村でその名前を付けた育ての親のじいさんは律儀だ。一平じいさんというんですけど、普通はその書置き見なかったことにして「三平」って付けると思うよ。多分釣りもうまいんだろうし。彼が村で白眼視された理由のひとつはその名前のせいだと思う。
ある日そのDQNネームの少年の前に白いイルカが現れて、「あなたはトリトン族の生き残り。世界の海を征服しようとしているポセイドン族と戦わなければなりません」と言ってくる。最初は「このイルカ喋った」と至極まっとうに驚いている少年だったが、突然海にモンスターが現れて漁場を荒らしだす。ポセイドン族が放った魔物で人間の敵う相手ではない。イルカは「あなたの親が残した服と短剣がある筈だ」と言い、探してみると行李の奥からそれが出て来て、鞘から抜くと赤く熱く輝いて少年はその剣で魔物を倒してしまう。一平じいさんは少年をひきとめるが、彼はその手を振り切って海へと出て行ってしまうのだった。
今ではよくあるパターンかも知れませんが少年少女にとっては心躍る、つかみはオッケーなスタートではないでしょうか。子供らは皆「ある日、自分のところに使者が来て、あなたは特別な存在。あなたにしか出来ない使命がある。今の生活すべてを捨てて旅立つのですと言って来たらどうなるだろう」と思うものである。そして「そうなったら、パパもママも兄弟も友達も全てと別れて、たった一人夜の海に旅立たねばならないのだ」と、寂しさと冒険心の両方で胸を震わせるものである。
以前、私は自分のサイトで、上記のようなことがあなたに起こったらあなたはどうしますか?とアンケートをとったことがありました。私は「旅立つ」という答えが多いかなと想像したのだが、予想以上に「旅立たない。今の暮らしを取る」という答えが多かった。別に、「皆、背中の翼を失くしたんだな」とか、「大人になるってことは、いろんな重石がからみついて下に引き下ろして地面に結びつけるってことなんだな」とか言いたいわけではありません。へえそうなのか、とちょっと意外だったというだけです。でも、子供であれば、たとえ、今の生活に不満や不安がなくても、見知らぬ世界へ誘われたら旅立ちたいと思うのではないだろうか。これすらも勝手な思い込みであろうか。自信がない。
トリトン族の生き残りだからトリトン。惑星ベジータの王子だからベジータですね。同システム。あとトリトンの声は塩谷翼という人で、数十年後にツェペリ男爵としてジョナサンに波紋を教えに来るのである。最初ぶったまげたけど、よーく聞いてみると確かにおもかげがある。声のおもかげ。
で、なんたって有名なのは最終回のとんでもびっくりな種明かしです。ポセイドンは何故トリトンを目の敵にし続け、執拗に殺そうとしてきたのか。その理由がわかるのですが、これも現代なら「片方の正義が、もう片方にとっては悪」「連邦軍もジオン軍も、共に地球人」のあたりはよく見かけますが、「悪い宇宙人が攻めてきた!勇気ある少年たちよ、迎え撃て!」ばかりだった時代の子供にとっては、相当ショッキングだったと思います。「さあ、いよいよ最終回。悪いポセイドン全滅だ!頑張れトリトン!」と拳を振り上げていたのに、30分後には黙ってしまっておやつも喉を通らない。皆の仲間だった、皆のヒーローだったトリトンが、最終回で罪もない人々を皆殺しにした殺戮者になるというこの無残さ。思い切ったなあ。
そしてトリトンは、ポセイドンの神殿でなにがあったのか、仲間のイルカたちや、いいなづけのピピには明かしたのであろうか。自分が何をしたのか、皆に打ち明けたのだろうか。それとも全てを自分の胸だけにたたんで、『ポセイドンの首領』と一騎打ちをして、倒した、と嘘をつくのであろうか。時々、『お前のせいだ、ただ平和に暮らしたかった我々を、お前が殺したのだトリトン』という声を夢に見て飛び起きて、あとはもう明け方までまんじりともしないのだろうか。
この感じ何かに似ているなと思ったらナウシカの原作の最後の部分ですね。大きな秘密を自分の胸にたたんで、喜んでいる人々をそっと見守っている感じ。でもアスベルはあの、なんだっけ、土着の体当たり娘に取られてしまったが、トリトンにはピピがいる。そう思えばまだ救われる。
そしてこのピピ姫。こんなに長々と我儘で自分勝手で大威張りで足ひっぱりな存在が他にいるだろうか。多分、そうはいない。て言い切れるくらい、長々とトラブルメイカーで、トリトンと仲悪い。でも、本当に紆余曲折の果て、嵐の海で二人だけになり、ようやく心が通じ合う。そのひっぱり具合がとてもリアルなのです。そして一旦強く結びついたら、もう心が離れることはない。荒れ狂う嵐の海で、強く手を握り合い、顔を見合うふたりの姿は、とても自然でした。
そしてまた、旅の途中で助けてくれるウミガメや、アザラシや、敵の女などが、トリトンたちを助けるために命を捨てるシーンがものすごいトラウマものです。なんだろうあの生々しさ。ツェペリさんの最期並みに心にくる。殊にウミガメがなあ。たまらない。ウミガメに関しては原作よりアニメの方が印象深いです。

あらー随分語ってたわ。でも海のトリトンは本当に名作です。海の持つスケールの大きさそのままの作品。
そしてまた、最後のシーンで、トリトンに何て声をかけてやればいいのか今になってもわからないままです。

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海難1890

数年前の映画です。日本とトルコの合作映画。
明治の頃、トルコの親善使節団が日本にやってきて、帰り道に台風とぶつかり、和歌山の沖で座礁し大破する。海岸の小さな村の人々が大急ぎで駆けつけて、嵐の中怪我人を必死で救助する。600数名中助かったのはわずか70人弱という大参事で、でも助かった人たちは心から感謝して帰っていく。それから100年近く経ってイランイラク戦争の真っただ中のテヘランで、もうすぐ無差別攻撃が始まるという時、孤立してしまった日本人がなんとか飛行機を飛ばせてくれと日本政府やJALに掛け合うが「危ないから」「なかなか認可が下りないから」飛行機が飛ばない。他の国の飛行機も自国民で手一杯で日本人の面倒までみてくれない。そんな中、トルコの飛行機が…という話。
出てくる人誰もが自分の持ち場を懸命に努め、務めるタイプの人たちで、見ていて気持ちが良かったです。こまごまとした設定があって、まあ正直見たことのあるアレ(故郷で子供が生まれた、と喜ぶ→死亡フラグとか)なのですが、ちゃんと活きていました。忽那ちゃんの事情とかも。内野せいようもさりげなくて『良い人振り』を押し付けてこなくて良かった。あと「貧しくても正直でまっとうで、目の前で苦しんでる人がいたら全力を挙げて助ける、なにもしなかったらご先祖様に申し訳がない」という庶民の姿は、見ていて背筋が伸びるし、こういう「優しい常識が生きていた頃っていいものだな」と思います。あとこれも時々見かけるけど、身体が冷え切っている人たちを、芸者さんが自分らの仕事だと言って体で温めるやつ。かっこいいですね。身体を張った心意気ですね。イカス。ちらっとだけ出ていた竹中直人も良かった。一見イヤなやつ、やっぱりイヤなやつ、ホントイヤなやつだ。でも…!という辺りのさじ加減がニクイ。
そして、機関室で働く男と、主人公の士官とのレスリング戦、そして夜の甲板で話をして友情が芽生える。大混乱の船の中で「おれになにかあったら、これを故郷の子供に」ドカーン「お前は行け!ここは俺の持ち場だ」の辺り泣けたね。ふたりともハンサムで、腕つかみ合って戦ってるシーンはまあもえました。その後整列してる時にお互い目を見かわし合っちゃって、まったくもう。そうなのか。そうなんだな。何が。
しかしタイタニックの時も二次大戦の海軍の時もそうだけど、機関室勤務というだけで「あかん」と思ってしまう。ボイラーは必ず爆発するものなんでしょうかね。台風が来てるなら港でおとなしくしててよ…
ここまででわかるでしょうが、あらすじを聴いてあなたが想像したのと大差ない映像だと思います。意外性とか、どんでん返しとかは全くありません。でも、よくある場面であっても細部まで丁寧にきちんと作っているので、不満はなく、「うん、うん」とうなずいて観られる映画でした。時間があったら観てみて。
面白いことがひとつあって、後半の現代パートで、テヘランで孤立した日本人グループの中に永島敏行が居るんですが、「JALは安全が確保できない限り飛行機を飛ばさないそうだ」とか苦々しく話している。沈まぬ太陽で永島敏行は国民航空(JALのこと)に勤務していて、上に盾突いたせいでテヘラン支店に飛ばされている支店長なのである。あの人だな、とひとりで納得しておりました。良かったなシマヅ。トルコ人の温かい心のお陰で日本に帰れるぞ。ついでにオンチも連れて帰ってやれ。

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魁!男塾 実写版

クロマティ高校とか、地獄甲子園とかあの辺りの延長線上にあるのかなと思いましたがそうではないのか?やっぱりそうなのか?
この辺りの映像ではよく見かける坂口拓という人と榊英雄という人が剣桃太郎と伊達臣人。「この2人の決闘シーン」は随分あちこちで観た気がします。すごいね、あのジャンプして後ろ向きにくるくるって廻って相手にケリ入れるやつ。よく出来るねあんなこと。なんだろう、筋肉の力ですか?
そして綾野剛が飛燕をやっていて爆笑しました。この人デビューが555だからこの映画の頃(2008年だそうだ)にはとっくに働いてたんですね。飛燕だの石川五右衛門だの、ニヒルでクールで跳んだりはねたりが好きなのか。そんなにハンサムでもないのに(失礼)「わたしのこの美しい顔に傷をつけたな」でキレてるから余計に面白かった。
あと照英が富樫。合ってた。というか虎丸以外は全員みんな原作にそっくりだった。なんで突然山田親太朗が出てくるのか理解できない。それほど格闘技に秀でてもいないしそんなにいい身体でもないのに。こういう映画に限ってコネとかごり押しとかはないだろうし。
原作にそっくり、という点では、主役の桃太郎の坂口拓は、実は原作の桃太郎とちょっと違うんですけど、これはこれでなんかイイなと思いました。秀麻呂のプリティなパンツがさらしものになった時に「かわいいな」て呟く感じとか、他でもあちこちちょっとだけぼそっと呟く飄々加減、日本刀で割って入って「この喧嘩は俺が買います先輩」な感じとか、私は結構この桃太郎は好きだった。
あとこれは最初から最後まで秀麻呂の成長物語であるのね。嫌な事からはただ逃げるしか考えてなかった男が、友のため、友情のため、「自分には絶対無理」「そんなの出来るわけがない」ではなく、やる!と決めたらやる!ようになる話。まあ薄っぺらくはありますが、なかなか、読後感の視聴版はなんというのか?視聴後感はよかったです。そんなに騙された感はありませんでした。そう、ムシシを観た後のような時間の無駄感はなかったわ。珍遊記を観た後のようなやるせなさもなかったし。珍遊記なあ、もったいなかったなあ。せっかく松ケンが脱いでくれたのに。本当にもったいなかった。なんであんなことになったんだろう。ていうか三蔵法師は原作通りおっさんでいいだろうに。それだけで大分違ったと思うの。
脱線しましたが、バカバカしいところはちゃんとバカバカしく、CGじゃないな、ちゃんと身体張ってるな、てとこはちゃんと身体張ってたし、エンディング曲も良かったし、その辺の「バカ映像」と「原作付きアクション映画」のバランスが取れていると思いました。
お勧めまではしませんが、すごくヒマであれば観てもいいんではないか。

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聖の青春 映画版

観てきました。
ネタバレするので内容を知りたくない方はお気をつけ下さい。
あとものすごく長くなるのですみません。

最初にこの映画の存在を知ったのは映画館にあった予告チラシでした。目に留まった瞬間から何故か非常に観たいと思った。多分松ケンさんの表情の威力だろう。
映画を観る前に原作を読まなければと思って図書館で原作本を借り、礼儀として将棋のルールを勉強してみましたがすみませんさっぱり覚えられませんでした。駒の動かし方を覚えるのすら大変。その他にも細かい決まりごとが沢山あって、私では試合以前に置けない場所に駒を置きそうな予感満載です。関係ないですが昔チェスを教わったことがあって、王様の周囲の部下たちに「行け!蹴散らせ!」でワーと出ていって、王様「よし、ではわし自ら出向くか」ゆったりと一歩前に出たらどこからかやってきた敵にぶすっとやられて開始5分で終わった思い出があります。部下たち後ろ振り返って「えっ」あれだね、こういうゲームはせっかちには向かないね。
原作は完全なるノンフィクションで、村山聖の一生を丹念に追っています。何かの賞をとりました。読んでみて、小難しい言い回しとか、奇をてらった表現などは無く率直で平明な文章で、それから作者からの村山聖への愛情と哀悼の眼差しに満ちていて、良い本だと感じました。賞を取るのもむべなるかな。
で、この原作に感動した!という人は映画になった作品を観て、あまり良い感想を持たないらしい。まあそれはわかる気がします。この原作本を愛している人はまず絶対に将棋が好きな人でしょう。でなければ読まない本だし。私のような方向から近づいてきた人間でもなければ。
将棋を愛し、村山聖という将棋指しを愛し、将棋の光と影に魅了された人たちにとっては、やはり、「実際にあった事と違う」のは許し難い、とまで強い感情でなくても、やるせないものがあるのだろう。「村山が目指したのは谷川名人なのに」「あの対局の相手は羽生じゃない」「村山があの言葉を言った相手はあの人じゃない」「羽生はあんなこと言わない」「あんな対局もともとない」「あの役のモデルになった人はあんなにひどいキャラじゃない」あとはなんだろうな、「師匠との関係が薄すぎる」「奨励会に入れなくて一年を棒に振ったくだりがない」とかだろうか。私も師匠との犬の親子場面や、本の原作者と会った時の「ほっぺた触ってもらい」て言うところは好きですが、でも映画の中でのリリーさんと松ケンさんの会話や雰囲気は、原作を読んだ時に受けたものととても近いと思いました。あと関西人じゃない人の大阪弁は絶対変だからやめろとかいうのも聞きましたが、わたしゃ東北人なので変かどうかわかりませんでした。はい
でも、そんなふうに将棋を愛している訳ではない人間にとっては、この映画はとても面白い、観てよかったと思える映画でした。いつもいつも「長いってだけで観る気しなくなる」「この映画、あそことここカットして1時間半にしたらもっと面白いんじゃないの」ばかり思う人間ですが、今回は2時間があっという間だった。終わるのが惜しかった。

松ケンさんがこの役をやるために20㎏太ったというのは有名な話ですし、東出さんが羽生さんにソックリと言われているのもよく聞きます。勿論、実際に居る人を演じるのであればその人の外見や佇まい、仕草や喋り方を身に付けて演じるのは当然でしょうが、松ケンさんが「痩せていては出来ない役だから太った」と言っているのを聞いたことがあって、彼の言ってることがよくわかった(気がした)。別に見た目を瓜二つにしないといけないからというんでなく、あの体型だからこそ出てくるものがあって、それを手にするために太ったんだよね。そしてまたいくら似せても、本物そのものにはなれないに決まっている。勿論、女の子をナンパしまくる村山とか、「はぁ~かったるい~、さっさと終わらせて帰ろっと」と発言する羽生とかにしたらそりゃ偽物すぎて論外ですが、物真似がすごくうまければいいというものでもない。何言ってんだかわからなくなってきましたが
なんかね、映画を観ていて、本物の村山さんと羽生さん、松ケンさんと東出さん、それから「松ケンさんと東出さんが演じている村山さんと羽生さん」の三人の人間が存在している感じがしたのです。その三人目が「フィクションである、聖の青春の映画」の主人公(たち)であって、彼らの言動や感じ方やその表し方が、本物の村山さん羽生さんと違っていても、それは別にそれでいいと言いますか。どんどん訳わからなくなってますが
だからつまり、本物に結構似ていてそれはすごいし、そしてまた本物と違う言動を取ることもあるけど「そういう人なんだ」と納得できました。

とにかく村山聖が良かった。ちらちら窺い見ながら「誰も話しかけてくれなかった」とぐちる可愛らしさよ。なんたってあの口の聞きよう。辛辣で残酷で容赦がないんだけど、でも、「相手を傷つけてバカにして笑ってやろう」て気持ちが全くないのがわかるので、そんなにイヤな奴とは映らないです。そめやしょうたの時なんか、自分も同じくらい苦しんでるのが伝わってきたし。えもとときおの時はただ笑ったけど(笑)あの酒場でのやりとりや車にゲーされた時も面白かったけど、村山とえもとが試合していて、村山の「強いな…」という呟きにえもとが顔を上げると、村山は隣の羽生の盤面をじっと見ていたという。あそこ笑った。ひどすぎる。
うん、時々、本気でというか素で笑うシーンがあった。笑いを狙った訳ではないのに笑える。今のところとか、「こういう、若い女が借りるような部屋を借りてみたかったんです」「村山君、無理だろう」「大丈夫ですよ」「いやダメだろう」ムッとして「部屋の方が僕に合わせてきます」挙句、おしゃれな部屋がダンボールで埋まってる中で牛丼食ってゲップしてるところとか、店主と羽生のサインとか。
そしてそめやしょうたやえもととの揉め事が起こるたびに間に入って「まあまあまあ」となだめる人たちもいて、大阪ではリリーさん、東京に出てからはやすだけい。そしてつついみちたか。それぞれの場所で村山に引っ張りまわされて苦労させられて酷い目に遭わされながらなんかほっとけなくて村山聖の面倒をみていた人々が、最後に村山と羽生の一騎打ちを全員で集まって見ている図が、すごくよかったです。ジンときた。

そして羽生さんについて。
松ケンさんや東出さん本人が「ヒロイン」とか「ラブストーリー」とか「純愛」とか言っていて、これは腐った女の財布をゆるめようという作戦なんだろうか?こっちとしては「え~ッそうなの~へへへ」と「公式がそういうことは言わないで欲しいんだけど」(渋い口元)と両方ありました。煽られればなんでもかんでも煽られるほどこちとら単純ではない。
でも、羽生さんに対する村山の憧れの大きさや強さ、アプローチの可愛らしさにもうあちこちかゆくなった。「羽生さんに勝つことは20勝分の価値があるんです。あなたに勝っても1です。1!」あとこっそり羽生の後を尾けるシーン。近すぎるよ!ばれるに決まってるよ!案の定不審なものを感じ振り返る羽生、目が合ってちょっとうろうろする村山。笑顔で会釈し返して去ってゆくかっちょいい後ろ姿。何がしたかったの村山。そうしないでいられなかったのかな?あととにかく姿が良かったなあ羽生。指や手や扇子の動かし方がいちいち良かった。負ける時に将棋盤の角っこを押さえて「負けました」て言う姿も良かった。戦いの最中苦しみまくってる姿も良かった。
こっそり酒宴を抜け出して、便所の前で羽生を張り込んでる村山、出て来て鉢合わせして慌てるとこ、ああーーー可愛い。ジタバタした。その後の居酒屋のシーンは、私はすごく好きだ。最初の頃言ったけど、もちろん、現実の羽生さんはあんなこと言いません。それはわかってるけど、ああ言ってもらった村山が、どれだけ嬉しいか想像すると、良かったなあ村山さん、ありがとう羽生さん、と思う。あのシーンを、最後の対局の時にまた出すというの、どうかなあ、一度きりの方がいいんじゃないかなと思いましたが、でも、村山があの時の羽生の言葉を思いながら戦ってんだよなというのがわかるし、一回目は視点が固定されて横からただ見てるんだったのが、回想ではそれぞれの顔のアップになっていて、それぞれの意思と感情に視点が合ってるのもわかるんで、まあいいかな。あの「わたしは今日あなたに負けて死にたいほど悔しい」の顔の良さ。「いつか一緒に行きましょう」の声の静かさ、温かさ。嬉しくて嬉しくてうつむいて言葉を噛みしめてから顔を上げて「はい」という村山の表情よ。久々に、なにかを観ていて「至福」というものを感じました。
そうそう、時々唐突に大阪の食べ物屋とかスーパーマーケットとか駅前の女子高生とか出てきましたが、あれは村山の、平凡で明るく健康的な暮らしというものへの憧憬なんでしょうかね。後で一回大阪に帰って来た時あのおばちゃんが働いてる店があったし。古本屋の娘可愛かったね。なんか手ひどく裏切られる(村山が居ないと思って「なにあのデブオタク。少女漫画好きってキモイんだけど」とかクソミソ言ってるのを聞いてしまうとか)あるのかなあ、いやだなと思いましたがそういう事はなくてよかった。マクロスとAKIRAといたキス好きか。ジョジョは読まなかったのか村山。「ジョジョですか。嫌いなんですよね。人が捻じ曲がってるし」
あと白鳥が二羽で飛んでるシーン、あれは羽生と村山のことなんでしょうね。巨人の星の、マウンド上でトラとライオンが戦う比喩と同じかしら。でも、単に敵同士というのでなく、競い合いながらどんどん深く潜っていく相棒同士でもあるので、やっぱり白鳥二羽なのであってトラとライオンとか龍と虎ではないんですね。犬と猿とかね。ハブとマングースとか。しつこい。
あの最後の戦いで、時間切れが近くなって村山が勝ってたのにうっかりしてダメな手を指してしまう。その時の2人の顔がなんともいえなかった。村山は悔しいのと茫然としてるのとこんな形で終わるなんて、という顔で、羽生さんがねえ、必死で平静なふうに抑えてるんだけど泣いてるんだよ。これまた本物の羽生さんが絶対しないことなんですが、居酒屋のシーン同様、ありがとうね羽生さんと言いたくなる。何にかというとやっぱり村山と一緒に最後まで潜ってくれてありがとうですかね。羽生さんてこれまでの試合で、相手が「負けました」と言い自分が勝って終わった後、相手に対して「あそこのあの手でひやっとしました」とか必ず誉めるコメントをしていた。でも、最後の戦いの後は、ただひたすら嗚咽を堪えて黙っているっていうのが、なんとも言えなかった。
2人共和服のかっこいいこと。何だったらレジャー施設にでも慰安旅行へ行きなさいよ。お揃いの浴衣着てさ、卓球でもしなさいよ。運動は無理か村山さん。じゃあボーリングでもしなさいよ。東出さんの羽生さんは背が高いからつんつるてんで脚むき出しで、松ケンさんの村山さんはぱっつんぱっつんでバカボンみたいで、2人並んだらとってもラブリーだと思うよ。夕食はバイキングでエビチリやローストビーフ食ってマグロの解体ショー見てチョコレートファウンテン楽しんでちょうだいよ。で一緒に温泉入って休憩室にある将棋指して、だんだん真面目になってきて血を見る戦いに。監督さんスピンオフ作品として撮ってちょうだい。『聖のラドン温泉』とかで。グッド。

村山さんが亡くなる時、薄れゆく意識で棋譜をそらんじて最後にとあるところで終わるというのが有名な話ですが、そこまでドラマチックにやらないのが良かった。本当に、彼が死ぬということについてはあっさりなんですよ。誰も泣いてない。リリーさんは優しく温かくねぎらってやり、えもとときおはただ呆けたように立ち尽くし(あの姿が本当に良かった)羽生さんは誰より先に顔を見に来て、すぐに試合に戻り、今日も戦い続ける。彼の分まで。そしてそめやしょうたはふと、将棋を愛してやまなかった村山の魂を見かけ、自分の仕事へ戻る。あのあっさり風味がすごく良かった。
原作を読んだ時にね、村山さん、その棋譜をそらんじる前に、とあるアニメの主人公になりきってセリフを言ってて、意識が戻って「あれっ今僕どうしたんだろう」って言うんですけど、何のアニメだったのかなあ、と気になったの。映画で何か洞窟がどうとか勇者がどうとか言ってましたが、あれは本当の村山さんが言ってたことだったのかな。それとも映画のスタッフが考えた何かのアニメかしら。なんだろうなあ。ガンダムではないようだが。時代からいってなんだろう。ガリアンとかモスピーダとか?(笑)でもね村山さん、それってすごく恥ずかしいぞと思ったの。私もね、全身麻酔で手術するようなことになって、麻酔が切れるころにうなされながら「吾郎ちゃん、下がってて」だの「やれやれだぜ。てめーは俺が倒す」だのって口走ったら、看護婦さんとかお医者さんに失笑されて「なんだこのオタクババアは」って思われるんだろうなあ、嫌だなあ、だから健康には気をつけて全身麻酔かけないといけない手術なんかしなくてすむようにしようって思ってたんだよ村山さん。原作読んでてそこで泣き笑いしたんだよ。ダメじゃないか村山さん。何のアニメよ。教えてよ。



いや長くなった。まだ言いたいことがあるように思いますが思い出したらまた書きます。
また観に行きたいけどもう無理かなあ。円盤出たら買おうかな。
良かったら観に行って下さい。お薦めします。

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ポアロさん

誰もが一度はアガサクリスティものを読む時期があると思います。ずーっと読み続ける人とある程度読んだ後読まなくなる人とに分かれると思いますが。
クリスティものと言って最初に出てくるのがあの圧倒的な容疑者の数ね。よく本の見返し?そで?の部分に登場人物が書いてあるじゃないですか。あれがもうぎゅうぎゅう詰め。満員状態。ごましおみたいに延々書いてある。一番下が探偵の名前ですかね。一番上が最初に殺される金持ちね。
あの容疑者のボリュームに毎回ウットリしていた気がする。覚えるだけで手一杯な。映像化すると数人は端折られたり、あるいは2人の素性を合体させて1人にしたりしていたっけ。
クリスティの探偵で一番有名なのはやっぱりエルキュール・ポアロだと思う。コナンドイルがホームズを書きたくないのにファンと編集に書け書け言われて仕方なく書いてたみたいに、クリスティもポアロのことはうんざり気味だったそうですが。でも私もポアロさんは好きです。滑稽な外見、とんでもなく巨大な自尊心。キザでおしゃれで、アクションは無し。あくまで頭脳。態度は丁寧で礼儀正しく、相手を詰ってる時でも言葉使いは綺麗。でも好かん奴に対する言葉は痛烈で皮肉たっぷりで容赦ない。ベルギー人で、時々フランス語が混ざる。それがまあかっこいいのよ(笑)
ナイルに死す、なんかでは、犯人に対して同情したり、親身になって話しかけていて、その時はとても優しくてダンディでおとな。あとメソポタミアの殺人で、ワトソン役をしているリスラン看護婦が目の前で被害者に死なれて絶望しているのを慰め励ましてくれる仕草がとても頼もしくて、「女だって彼ほど優しくはなれないだろう」っていうくだりを覚えています。その、彼独特のやさしさ、頼もしさは、見た目のかっくいー名探偵にはちょっとない。誰かも持ってたなと思って考えたら、コロンボ警部ですね。あの人も、殺しの序曲だったかしら、天才ばっかりが入れるクラブがあって、そこの一員の、頭いいことだけもてはやされてきたけど、可愛いなんて言ってもらったことのない女の子(確かでっかい黒縁メガネじゃなかったか?)に、「君は頭がいいだけじゃなくてとてもかわいくてきれいだ」と言ってあげるコロンボ。それに対して、「頭のことじゃなくて外見で褒められたのは、これが初めて」と言って笑う女の子。ぴゅっと走っていってしまう背を、しみじみと優しい笑顔で見送る。あの顔がとてもおとなの男で、すごくステキだったのです。それと通じるものがありますという話。
上で上げたナイルに死すとメソポタミアの殺人はどちらも大好きですが、よく「トリックに無理がありすぎる」「読んでがっかりした」とか言われてます。うん。殺人のトリックはちょっと無理がある。認めよう。イチかバチか過ぎる。どこかで誰かひとり見てたらアウトの綱渡りざんす。でも、話全体の雰囲気、それこそ山のように出てくる容疑者たちが織り成す人間模様、どんな脇役でもその人の人生があり、これまで生きてきた背景があり、胸にたたんできた思いがあるのだなーと思える描写力こそが、魅力であると思います。ので、大好きです。オリエント急行殺人事件も良かった。
オリエントとナイルの映画を大昔観ましたが、それらも良かった。もう一度観たいな。

拍手して下さった方、ありがとうございます!

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聖の青春 原作本

映画を観る前にと思って図書館で借りて読みました。
一気読みした。返却日まで何度も読み返そうと思う。
なんと凄絶でギリギリで鬼気迫る、命を燃やすようにして生きた人であろうか。日本語が秘孔突かれててすみません。
それでいてなんと真正直で、誠実で、純粋で、嘘のない人であろうか。
勝つことに誰よりも貪欲なのも、自分に残された時間が少ないと思うからこそなんだよね。
彼は将棋によって命を得、また将棋をあんなにして打ったことで命を削った。どっちが正解なんだろうかと思わずに居られない。決して軽々しく断定できることではないが、でもやっぱり、「これだけの才能をもっているものに巡り会えたことは、幸せではないか」と、何も持っていない凡人は思ってしまう。でも。
彼はもしかしたら、健康で平凡な長い人生と、愛する女性と、自分を長とする家庭の方が欲しかったかも知れない。それのどこが悪いと思う。彼が望んだ2つの事「名人になって、将棋をやめたい」「恋人が欲しい」を知った時、しみじみとつらくなった。
だがそれでも、彼の最期の頃の、本当にまばゆく輝いて流れ落ちてゆくような戦い振りを見ていると、やはり、彼は将棋に選ばれたひとなんではないかと思われてしょうがない。
あっでも、小説の中に、彼がどんなふうに将棋の腕を磨いていったか、どんなふうな手を指したかが出てくるのですが、これはやっぱり将棋を知ってるか否かで全然違う感想を持つんだろうなあと思いました。わたしゃ将棋を知りません。チェスみたいだとか、敵陣に入るとひっくり返るとか、王様を取れば勝ちとか、どうもすみません程度のことしか知らん。どうもすみません。映画を観る前に将棋の基本知識くらい身に付けていかないと。
あと、師匠の森信雄さんという人や、ライバルであって尊敬する相手の羽生善治さんとの関係が本当に胸に沁みる。人間はこんなふうな関係を築く生き物なんだなあと思う。文中に2度ほど出てきた、森さんと寒い夜出会って手をさすってやるシーンとか、終盤に出てきた、羽生さんを食事に誘うシーンとか、本当にジーンときました。映画の予告編でも出てくる「羽生さんの見ている海は皆とは違う」っていう、海とはなんだろう?の謎が解ける部分が小説にあるんですが、その時は「なるほどなあ」と思いました。
千代の富士や北の湖が亡くなった時にも言いましたが、たぐいまれな才能を持ちそしてそれこそ命を削るようにして努力した、本当に一握りの人だけが見られる頂上からの景色というものがあって、それを村山さんと羽生さんは戦いながら共に見たんであろうな。
そしてね、小説では、村山さんがずうっと生きてきた軌跡を丁寧に描いていて、今もその場所は存在しているんだけど、そこに村山さんだけが居なくなってしまった感がひしひしと伝わってきて、最後までくると本当につらくて、ああでもわかるなあと思いました。彼を知らない私が言うのは変ですが、彼と共に生きた人たちに、どうか彼の事を忘れないでくれ、と言いたくなる気持ちです。昔キーストンという競馬ウマが居ましてね、最後の直線で事故って、自分も複雑骨折して発狂するほどの痛みなのに、足を引きずりながら、落馬した騎手のところへ行って彼を助け起こして、その顔を抱きかかえた後騎手が気絶して、次に気が付いた時にはウマは安楽死した後だったという話があって、その時も「直接知らない私が言うのは変ですが、どうかその場面にいた人たちよ、彼らのことを忘れないでくれ」と思ったのですが、同じ気持ちです。
とにかく気持ちがはやっているので日本語が秘孔突かれまくりで申し訳ない。とにかく、つらく切なく、そしてまた熱くきれいなものを見た気持ちです。



くーが終わった!送った!どうもすみません。
さてジョジョ打とう。もう脳内でさんざんイチャコラしてましたが改めてイチャコラしていただく。
地震の方の皆さん大丈夫でしたか?まだ揺れてないとこの皆さんもくれぐれもご用心ください。

拍手[5回]

沈まぬ太陽 終了

最後まで観ました。
あれ、東京地検に連行されるのってあの2人だけだっけ。ハチウマって何もひどい目に遭わないんだっけ。ある意味すごいな、冒頭からオンチいじめをしているというのに。
結局、社長と副社長は何の被害もないんだよね。あいつらだって国見会長の足をひっぱったのにさ。でも本当に観ていて国見会長は清廉潔白すぎて、ドロドロ連中相手にやり方がきれいすぎてダメですね。敵の一味を自分の傍に置いてるんだもの。仕事が先に進む筈がないよ。そのことに最後まで気付いてないし。結局政治家の思うように動かされてるし。うん、金と欲にまみれてウッヒッヒ言ってる連中は腹が立つしお前らなんか逮捕されろと思いますけど、観ていて一番怖いのは国見会長を選んで任命して使えなくなるとあっさり追い出す総理とその右腕ですな。あの2人が一番怖かった。特に橋爪功。全てが計算づくで、人間の感情も感受性も全て計算の中に入れる係数でしかない感じ。勿論あの人には何のしっぺ返しが来るはずもない。クビになったり逮捕されたりなんてのは三流の民間人のやることなんでしょう。どうでもいいですが中曽根元首相がモデルの政治家って必ずと言っていいほど「利根川」って名前だよね。
国見会長とオンチの出会いと、一緒に戦う姿、そして別れの一連はホント良かった。シマヅ支店長も良かったけど。シマヅさんは豪快さんタイプで国見会長はインテリタイプね。2人の間で揺れ動くオンチ。彼はどっちの手を取るのか?そして「一日たりとも、お前のことを忘れたことはなかった」まさかのギョウテンが参戦!オンチのラブ・トライアングル、終着点を決めるのは…あなただ。何この頭悪いゲームは。
あっでも「好きな奴ほどいじめたくなる」タイプ代表のハチウマとか、最強のツンデレ・堂本、オンチを尊敬してやまない後輩の沢泉や整備士の志方とかも入れれば、オンチの恋愛シミュレーションゲーム作れそうですな。各人とのイベントがあるんですよ。この時刻にこの場所に行くと誰それとの隠しイベントが始まるぞ!上川タカヤ大変だな、撮影全部でどのくらいかかったんだ。「大変でした…」私は誰狙いかなあ。んー、やっぱ最初の3人で悩むところかな。
やまざきとよこ先生すみません。冗談です。当たり前だ。
まあこういう曲がった部分を持って観ると何でもときめいて観られるわけですね。普通はときめかないですかね。

モデルになった現実に居た人とはもちろん、あちこち違っているわけですが、似たような苦難を乗り越えて生きたことは確かでしょうし、強靭な精神力と信念、そして彼に信頼と友情を寄せてくれた人に支えられて頑張ったという点も多分同じだと思います。
私もささやかながらいろいろ辛いことはありますが、彼の強さを見習って頑張って見ようと思う。

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沈まぬ太陽の中盤

オンチさんはしかし、何故こうも人がやりたがらない業務にばかり回されるのであろう。僻地を転々とまではまだ上層部のいやがらせだなと思いますが、遺族の接待係だの、遺族への補償係だの、あれも全部誰かが「オンチをひどい目に遭わせてやれ。ヒヒヒ」と言って決めていたんでしょうか。行く先々で人々からの罵声を浴びせられ、風邪を引いてゲボゲボ咳してるのに土下座させられ、あまりにもそればかり続くと「そもそもオンチさんの専門って何なの?」と思ってしまうのよ。いやあの風邪引いて土下座はちょっと、上川タカヤのSMショーに見えました。
そしてながしまとしゆきに匹敵するステキ上司、国見会長登場!映画ではへーちゃんでしたがこっちでは長塚きょうぞうでした。こちらもまたよし。清廉で潔くて俗にまみれてなくて綺麗な理想を一心に目指していて、人に対して一切の色眼鏡や差別意識を持たない。まるでイチジョーさんのよう。要するにあまり、現実に居そうにはない人です。
オンチの娘のジュンコさんが結婚相手を連れてくるんですが、その親があまりにも典型的な大阪商人(大阪の方すみません)典型的というよりはコント的と言った方がいいだろう。現実に居るのかこんな人というようなね。こってこて。「アカの娘なんか願い下げだ」とか言ってたのが新しい会長に見込まれて抜擢されると大喜びで結婚話すすめてきて、「披露宴には会長さん呼んでえな」とか言ってくる。カッとなったオンチの妻が怒って娘も怒って息子も怒って「結婚式は外国で二人だけでやる」とか言い出すと「なんちゅうこと言うのんや」とか言って泣きを入れてくる。コントとしか思えないでしょう。
その時、オンチ夫婦がそのコント夫婦を評して「面白い人たちだ」「悪い人じゃないわね」「あれならジュンコもなんとかやっていけるだろう」みたいなことを言う。その時に、さすがはさんざん煮え湯を飲まされ世界中をどつきまわされた夫婦だわと思ってから、そう言えばこの沈まぬ太陽の世界では、あのコント夫婦みたいな「決して善人とは言えないんだけど、根っからの悪人でもない、言わば世俗的な普通の人」というのは、ひょっとして初めてかしらと思いました。
他の、名前のある役の人は、理想に燃える良い人か、金と欲にまみれた悪人か、そのどちらかなのです。良い人はとにかく良い人。悪人はテッテ的に悪人。いい所ひとつもなし。悪人なんだけど魅力的とか、胸の内に抱える闇には共感できるとか同情できるとか、そういった点は一切なし。沈まぬ太陽は言うまでもない偉大な大作ですが、登場人物たちに関しては、ちょこっと、そういう…単純さというか、わかりやす過ぎるところ、があるかなーと思います。やまざきとよこ先生すみません。でも白いキョトーの財前ゴローは充分に魅力的な悪だったからな。こっちのぎょうてんシローがそれなのかも知れないが。時々オンチのことを理解しているようなことを言うこともあるし、国見会長の生き方に感銘をもっている感じもあるし、自分側の金まみれ連中を軽蔑してるところもあるからね。でもゴローに比べるとちょっと弱いな。
あ、途中で脱落していったくにむらじゅんが、オンチに「君に嫉妬していた」と告白して、最後の忠告として「政治家には気をつけろ、やつらは掛けたはしごを平気で外す」と言う。あのシーンはしびれた。かっこよかった。それまで本当に憎たらしく恐ろしい敵であったからこそ、あのシーンが良いのだ。
オンチが国見会長にスカウトされるところは本当に彼のために良かったねと思ってしまう。ときめくわ。やっとあなたのことを理解してくれる実力者と巡り会えたわね。会長室でひそかに何をしてるのかしら。最後のはともかく。
しかしなあ、国見とオンチの「悪を暴くぞ作戦」が、悪人たちに何もかも筒抜けなんである。もう、ダメよ、敵のスパイのいるところで「会長、ちょっとよろしいですか」「うん」あれやこれや机の上で広げてないで!
どうも正義側の連中は自分が思いもつかないせいか、悪人たちに対して手の内オープンすぎて観ていてイライラします。
イチジョーさんも出てきたよ!相変わらずこざっぱりしたいい男。やっぱイチジョーさんにはスーツがぴったりだね!
原作では最終巻はひたすら裏金ルートを暴く!な話で、正直おつむの悪い私には眠かったですが、こうしてドラマで見せてもらえると面白いですね。マンガで覚える政経とか、アニメでわかる歴史とかも一理あるんだな。

またずーっと仕事なんです。休めません。人がいないの。
頑張れるところまで頑張るよ。
あっでも今日の新聞の占いで「あなた自身があなたを追い詰めるので、もっと気楽に」と書いてあって、あーそうかもなと思いました。もっと気楽にね。そうだ。なるようになる。というか、なるようにしかならん。
いちゃいちゃしている男の話を頭の中でひねくり、たまに出来た暇に打鍵して自分を盛り上げていきマース。

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ぐりぐらとゴジラ

今日は休みだったので、午前中はぐりとぐら展に行き、午後からシン・ゴジラを観てきました。
どちらも良かった。
ぐりとぐらはどちらもオスですが、兄弟とかいとこなどではないんだっけ。そういう記述は無いよね確か。仲の良い野ネズミ2匹ということね。
着るものから使うものから全て片方は赤、もう片方は青。ふたりとも趣味は料理と美食。仲たがいはしたことがない。同じように感じ同じように考え、片方が思いつくことにはもう片方も心から同意し、「そうしよう」と言う。
2匹がそれぞれ、片方は短気で片方がのんびり屋とか、片方はおせっかいでもう片方は傍観的とかであれば、また全く違う話の筋になってゆくのでしょうが、ぐりとぐらで言いたいことはそういうことではない。仲良しの2匹が、不思議なことに出会って、力を出し合い協力し合って、とにかく最後に美味しいものを食べる。そういう姿です。だからいいのだ。
ぐりとぐらはなんとなくイギリス風というか欧州風な雰囲気がありますが、日本風なところもある。そんな、空気の入り混じったところも好きです。そして、ぐりぐらが一番最初に描かれてから50年経ったそうです。その間、微妙な変化はあるにせよ、絵柄がほとんど変わっていないというのがすごい。アラキ先生だったら1年の間に絵柄変わってるよ。「ぐりとぐら」絵・アラキヒロヒコ。「なんて…でかい…タマゴだ…」ゴゴゴゴゴ「どうする?どうすればいい?目玉焼きなんていいんじゃあないか?いや、まて、まてまてまて」ドドドドド「カステラを…つくることは…できるのか?」観たいけどね。
個人的にはいやいやえんが大好き。子供の頃に読みました。いろんな色の山に遠足に行って、四番目の山が黒い山だというあれ。あれが一番記憶に残っている。
シンゴジラ。
閣僚たちの延々と続く会議部分は笑いましたし、最初の変なぬいぐるみみたいなゴジラには眉間にしわ寄って、どういう事情だろうと思ったらああいう事情だった。あとやっぱりアニメ監督だからなのか、アングルがすごいね。今までのああいった怪獣パニックものでは見たことのない角度をいっぱい見た気がします。
そしてCGの威力なのかも知れませんが、本当になにげないよくある風景の中に怪獣が現れて蹂躙してきたらこうなるんだろうなと思える映像でした。東京に住んでいる人ならもっともっと「あそこの、あの場所がこんなことに」と思いながら見られるんだろうな。
いちかわみかこと、つだかんじが良かったです。他の人も皆良かったけど。もちろん長谷川なんとかも良かったし。そして途中で一度入る、ゴジラの大暴れシーンには背筋が冷たくなりました。すごかった。本当に息を飲んだ。最後の方、ゴジラに血液凝固剤を飲ませるために幾人もの人が死ぬところも長谷川なんとかと同じように「ううー」と思いました。あと中央線とか山手線とかに爆弾満載でゴジラにぶつかってくシーンもなんかぐっときた。
ゴジラの出す放射性物質が半減期がすごい短いってのがちょっとウソっぽいけど、まあ、いいよね。うん。
いちいち人名や肩書や乗り物の名前が出るのがすごくゴジラっぽくてよかった。驚くような人が沢山沢山出ていて豪華でした。面白かった。
ゴジラ自身には感情がないんだよね。「愚かな人間どもよ」とか「おのれ日本人め、この恨みはらさでおくべきか」とかいうものもない。そして容赦もない。もしそこら辺があったらあんなに怖くないんじゃないかなと思う。
エヴァンゲロリンは全部見ていないし、この監督さんの作品をちゃんと知らないわけですが、でも才能のある人なんだなとは素直に思います。

今月は超高速!参勤交代リターンズを観に行かないといけない。
あとまつやまけんいちが、早逝した将棋指しを演じている映画を観たいです。

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酔いどれ小籐次

とても中途半端な見方をしています。
最初に「御鑓拝借〜酔いどれ小籐次留書〜」というスペシャルドラマがあり、その続きが連続ドラマ化されました。私はその連続ドラマの1話目だけ観ている。
とある小藩の厩番である主人公の赤目小籐次は、主人が味わわされた恥辱を雪ぐため、職を辞してたったひとり大名4家を相手に、大名行列中にその槍を奪うという形で戦いを挑む。のがスペシャルドラマの内容です。夫が原作を読んでいて、同じ原作者のいろんな話の中で一番好きだと言ってあらすじを喋ってくれた。面白そうなのでこれも観たいと思います。
あるじのために身分を捨てて単身戦うその義侠心。いいですねえ。そして彼は背が低くハゲてて、あまり風采が上がらない、大酒呑みの49歳独身おやじなのである。でも剣の腕前は超一流。あ~なんてセクシーなんでしょう。
「密命」というシリーズも同じ作家さんが書いていて、こちらも極秘任務のため職を解かれて単身戦いに赴く話なんですが、こっちは字がヘタとかいうキャラ設定があるにはあるが見た目もそこそこかっこいい。でもわたしゃ断然赤目小籐次の方が色っぽいと思うね。
彼はその後、刀を研ぐ腕を父親に仕込まれていたので、それで身を立てながら、江戸で一人暮らしを始めるのである。誠実で不器用な彼の周りには、なんかわからねえけどこのおひとを見捨てておけねえや、な市井の人々がいて、なにかと助けてくれる。そんな彼らのことを、小籐次もまた精一杯手助けする。その図が、失われた古き良きなんとか、な感じでとても快いです。野菜売りの娘とか、岡っ引きとか、長屋の連中とかね。
「御鑓拝借」の関係で、彼は当然ながら大名4家から憎まれ、刺客を送られる。そのひとりが須藤平八郎という男で、貧乏な彼は小籐次を討てば指南役として召し抱えると言われ、命を狙ってくる。でも、知り合って話をして、偶然一緒に戦ったりするうち、この男はいいやつだなと思う。でも、刺客として雇われた自分、この男を倒さなければ、わけあって背中に背負っている赤ん坊も食い詰める。意を決して戦う2人、須藤平八郎は敗れ、こときれる間際に「赤ん坊を育ててくれ」と言い残して死ぬ。それ以来小籐次は見も知らない誰かの子を育ててゆく。本来、気の合う間柄であったろう男同士が殺し合って、赤子の命をバトンタッチしてゆくというの、ある種のパターンかも知れませんが、切ないですねえ。藤堂平八郎をやったのが上地雄輔。この人、いつだかの仮面ライダーのドラマの時に「妙に上手いな」と思ったのですが、演技力があるね。すごく渋いとかいぶし銀とかいうのでは勿論ないですが、変なクセがなくて、その役をスッと演じているというか…とにかくバラエティの時よりずっと光っている。これもいい役だった。
とにかく小籐次は、そう、「自分がやるしかなければ、やるしかない」という、魂を持っている。大仰でなく、誉めて欲しがるでなく、「仕方がないのだ。なりゆきでな」と言いながら、死地へ馳せてゆく。いいですね。素敵です。ドラマでは竹中直人がやっていますが、はまり役だと思います。時々、チンピラにからまれている娘とか、人質にされている人間とかを、あっさり、実にあっさり助けてくれるのですが、そのあっさり風味が、裏に潜んでいる実力のデカさをまざまざと見せていて、かっこいい。たった一人の主君にいつまでも心の中で仕え続けるっていうのもすごくいい。吾郎さんみたい(笑)
是非続きを観たいと思います。

あっそうそう、沈まぬ太陽にイチジョーさんが出るんだって!すごい!未確認生命体が国民航空の幹部になりすましているという情報を得て、調べに行くんだって。社長室のドアの陰で盗み聞きしていると自分の携帯が鳴り響いて危ない目に遭うんだってさ!ウソだよ!
打鍵してます。いずれそのうちアップしますね。
拍手して下さった方、ありがとうございます!

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